多くの人は肩こりは、

血流障害のせい

だと思っています。


筋肉が硬くなっていて、血の流れが悪いから、と。


常識とも言える情報ですが、ちょっと考えてみたいと思います。


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細胞と細胞の間を流れる体液のことを「間質リンパ」と呼びます。

一般的なリンパマッサージ、リンパドレナージュなどと呼ばれているのものはこの細胞にある間質リンパではなく、

リンパ管内を流れる血漿成分を「リンパ液」を指しています。





やけどのときの水ぶくれ、擦り傷に貼った絆創膏に滲み出てくる黄色い汁が「間質リンパ=間質液=組織液」と言われるものです。


血管障害や圧迫が無い限り、基本的に血流は障害されません。


血流障害があったあとは、実際は血行は促進されます。

圧迫して血を止めたあとは血流が良くなります。

例えば、指に輪ゴムをキツめに巻いた後、外してみるとわかります。





血管に問題が無く、血圧に問題が無ければ、血流は一般的には障害はされません。


障害されないように身体はホメオスタシスで守られているからです。





ではなぜ凝りという症状が発生するのか?


実態は「間質リンパの循環不全」です。


筋肉が硬くなる=体液=間質リンパが固定されている

状況です。




筋膜内で体液が固定されると筋肉が硬くなります。


固定された体液は血液ではありません。 

想像すればわかりますが、血液が固定された場合「凝固」という状態になります。

静脈内では血液が凝固されてしまう場合がありあますが、これは静脈瘤といいます。


動脈瘤は静脈瘤と違い、血管膜が破れて薄い膜でギリギリもちこたえた血液の風船です。





血液はもの凄い早さで流れており、毛細血管へ送られ、

そこからスプリンクラーのように
血管壁を体液が通り抜け、細胞に酸素と栄養素を送ります。


赤血球と血管内の浸透圧を保つための「アルブミン」というタンパク質は血管壁を通り抜けることはできませんが、


白血球はアメーバー状に血管壁を通り抜けてしまいます。

アミノ酸も血管壁を通り抜け、タンパク質をつくる材料になります。


脂質、糖質、血小板も血管壁を通り抜け、必要なところに運ばれます。




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免疫はこの間質リンパで行われています。


間質リンパは酸素を豊富に含み、活性酸素と白血球が異物やガン細胞などを攻撃します。


その免疫は下水であるリンパ管に入ってからも続けられ、さらにリンパ節で
さらに畳み掛けて攻撃します。


なので、炎症は局所とリンパ節で起きるのです。





闘ったあとの白血球は炎症性物質を出します。

すると血管の編目が大きくなり、
血流も良くなり、

さらなる白血球が応援に駆けつけ攻撃を続けます。


話が少し逸れますが、その異物に対するエラーがアレルギーなどの免疫疾患です。





筋肉が疲労する、

持続的収縮をする、

動きが悪くなる、


と間質リンパはポンプされなくなります。


筋肉の弛緩によって間質リンパの圧は低くなると、血管からたくさんの間質リンパが出ます。


筋肉の収縮によって間質リンパの圧が高くなると、毛細血管膜を通して小さな老廃物を含んだ水分が再吸収されます。 

膠質浸透圧+間質リンパ圧  です。




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それから筋肉の動きによって間質リンパはリンパ管にも流れ込みます。


間質リンパは、間質リンパの陽圧・陰圧によってポンプされますが、

リンパ管内の管内リンパは強い圧でも強弱によってポンプされます。




なので、圧を加えるマッサージは管内リンパには有効ですが、間質リンパには無効です。 

35mmHg前後という弱い圧の毛細血管圧から
間質リンパが出てくるには、

35mmHgから膠質浸透圧の20mmHgを差し引いた
圧がこれを超えないことが大切です。


つまり、筋肉が弛緩する時に間質リンパが陰圧になるのでそれを利用します。



細胞が栄養や酸素を受け取るには間質リンパの流れが大切です。


それをポンプさせるのは、力を入れる・圧をかけることではなく、

筋肉が弛緩し圧が抜けることです。

血管以外の圧が低くならないと血管から間質リンパが
出てこられないからです。


間質リンパのポンプは血管内外の圧の差で起こります。


詰まるところ、

流れが悪くなる=間質リンパのことである、ということです。



繰り返しますが、血圧が正常、血管が正常であれば血流障害は基本起こりません。


水道圧が正常、水道管が正常であれば水道の障害は起こらないのと同様です。



もし水道に障害がおこれば、水道管に穴を開けても溜まっていた水がチョロチョロと出るだけで 水が吹き出すことはありません、

水が吹き出すのであれば問題は水道の蛇口にあるとわかります。




水が流れないのは 排水口から先の問題なのか?


排水口の問題なのか 排水口までの問題なのか?


全てを解決するには排水口を掃除し、排水口までの水を流れるように整えることです。


流れが正常であれば蛇口を目一杯開いても、どんどん流れていきます。


どんどん流れれば、排水口も詰まらず、排水口から先の下水も流れが良くなり、

さらに水道管の中まで流れが
良くなります。





筋肉を緩めると身体が温かくなりますがそれは全ての流れが良くなるからです。


水道管にあたる血管、

下水にあたるリンパ管、

でもなく、
間質リンパの流れに目を向けてみると、体のさまざまな問題は納得がいくはずです。