神経は痛みを感じない。
これが医者を含め多くの人がわかっていないことの一つです。
鼓膜は振動を膜で捉え、それを電気信号に変え、神経に伝えます。
神経はそれを脳に送り、脳はそれを認識します。
網膜は光を膜で捉え、それを電気信号に変え、神経に伝えます。
神経はそれを脳に送り、脳はそれを認識します。
皮膚や筋膜、骨膜などは痛みを膜で捉え、それを電気信号に変え、神経に伝えます。
神経はそれを脳に送り、脳はそれを認識します。
これは生理学の基礎の基礎なのですが、神経が痛みを感じると思い込んでいます。
伝達麻酔では神経に針を刺して麻酔をします。
神経に針を刺すと痛みを感じるのでそこに麻酔をします。
矛盾しているように聞こえますが、
神経に針を刺すと痛みを感じますが、神経は痛みは感じないのです。
??
神経は伝達器官です。
痛みは感じません。
電気を伝えるだけで痛みを感じる受容器はないのです。
では神経を刺したときの痛みや神経痛は一体何なのか?
それは神経膜の痛みです。
神経鞘とも言います。
神経のまわりには神経の膜があります。
膜組織が痛みを感じ、それを電気信号に変えています。
痛みが出るには受容器が痛みを電気に変換する必要があります。
眼の無いところで光を感じることはできません。
鼓膜の無いところで音を感じることはできません。
膜の無いところで感覚を感じることはできないのです。
筋膜、という組織の名前はだいぶ一般にも馴染みになってきて聞いたことがあると思います。
筋肉がカチカチになり引っ張られると痛みを感じます。
それは「膜」が引っ張られているからです。
皮膚を引っぱったりつねったら痛みを感じますよね?
カチカチの筋肉が例えば大きく裂けたら激痛です。
皮膚が大きく裂けたら激痛なのと同じです。
ヘルニアで腰が痛い、という例で考えてみます。
レントゲン、MRIで腰を調べても筋膜は写りません。
すると医者は腰椎の変形が気になるわけです。
そして、こいつが犯人だ! と。
手術しましょう、となり、圧迫を受けている周辺の筋肉を切ります、
当然、筋膜も断裂され圧力が解放されます。
筋膜痛も無くなるので「あ、痛くなくなった(治った)」となります。
しかし!筋膜が再生されればまた腰痛になるのです。
ヘルニアや脊椎管狭窄症で神経が圧迫されて痛みが出るのだとしたら、基本はずっと圧迫されているわけで、ずっと痛いはずです。
「今日は割と調子が良い」なんてことはないはず。
筋肉自体がわずかに柔らかくなっている時は膜のテンションが変化し、「今日は楽」と感じます。
温泉やマッサージや整体で痛みが無くなることがあるわけです。
逆にマッサージや整体で痛みが増えることもあるわけです。
筋肉を緩めれば、内圧が低くなり筋膜のテンションも下がり、損傷も神経の圧迫(麻痺)も改善する可能性が高くなります。
腰痛だと、筋肉を鍛えなさい、と整形外科の先生が言うのですが、違います。
筋肉が弱くて腰痛になるのであれば筋肉の少ない代表の赤ちゃんは腰痛なはずです。
ハイハイして、立ちあがろうとしたら「オギャー!(痛い!)」なんてない。
腰痛で立つのを諦めた赤ちゃんもいないと思います。
神経が傷んでいる、神経が問題ですね、と診断を受けて、
筋肉を鍛えなさい。
牽引をしましょう。
手術をしましょう。
マッサージをしましょう。
そんなふうに言われたら、よく考えましょう。
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