土壌の性質を人間の体内の性質に近づけることができれば、作物は良く育つらしいのです。
地球は一つの生命体であり、植物や生き物は何かしらの多くの法則性を持っています。
人間の体内と土壌内は似たような性質が現れている、ということも理解できます。
注目すべきことに、動物の血液の成分、つまり生命の数値とも言うべきものは、PH7から7.2の間です。
これら数値は何を意味しているのでしょうか?
聞いたら驚きますが、
『腐植土と完熟堆肥は、健康な血液のそれと非常に似ている、いやほとんど同じである』
ということです。
土と人間(血液)の相似性があります。
これは何を意味しているのか、を大いに考えなくてはいけません。
さらに、腐植土が持つきわだった「緩衝能」のことを考える必要もあります。
PHを1変えるためには酢酸と酢酸イオンの比率を10倍変える必要があるのですが、
PHを一定に保とうとする働きを「緩衝作用」といい、
その作用を表す尺度を「緩衝能」といいます。
酸性の雨が降り、その正値は4.5から5.1なのに、腐植土の酸性化は起こらずPHは中性域のままです。
一定に保とうとするからです。
恒常性があります。
人と同じですね。。。
体内で細胞周辺がひどく酸性化してくると、その部分の病的状態を引き起こし、次第に広がっていきます。
そして、ある限度をこえた酸性化は、結果としてほとんどその周辺組織での酸素の利用が不十分になります。
さらにそれが進むと、その様相はさまざまな組織に大きく広がっていくことになります。。。
同じようにして、土壌と人間の間に、腐植と身体組織の間の相似性が見られるようなのです。
つまり、腐植を一つの組織(実際に腐植はそう)とみなすなら、腐植でも酸素欠乏によって酸性化が起こります。
つまり連鎖反応と同じような結果が生じます。
例は土壌の踏み固め、水浸しなどです。
そして、酸性の組織全体に無機塩類の固まりが広がっていきます。
こうなるともはや植物が土内のミネラルを吸収することはできません。
これらのことを踏まえて、現在社会的に一般常識化している
「ミネラル含量が高いミネラルウォーターは健康促進のために良い」
というものはもしかして誤解ではないか?
と思われるのです。
ミネラル、とは一般的な有機物に含まれる4元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外の必須元素で、無機質、灰分(かいぶん)などとも言います。
無機物の中に無機塩類も含まれます。
同化されることのない無機塩は次第に生体内に沈殿物を形成し、痛みを引き起こすことが知られています。
わかりやすい例だと、あらゆる石灰沈着による病気、とりわけ関節での石灰沈着、また関節炎や動脈硬化への影響です。
でも生命にとって本来的に不可欠な無機物を含んでいるミネラルウォーターがなぜ人間の身体にとって有害なものになりうるのでしょうか?
答えは、本来的には、
”植物だけ”が無機質のミネラルを同化し、有機態に変化させ、それに新しい構 (秩序)を与えることができる
のであり、人間はそれを利用しているに過ぎないということ。
似たようなことが、土壌の中でも起こっています。
「植物に肥料を施す」という古くからの見解がいまだに信用されていますが、
実際には、まず土壌微生物の活動によって有機質や無機質の養分がさまざまな形に変えられ、それを植物が吸収します。
古くから植物に施肥をすると言われているが、考え方が違います。
土壌の生物に食物が与えられねばなりません。
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