インフルなのか単なる風邪なのか、流行っているようです。





前世紀に一世を風靡した整体家の『
野口晴哉』先生という人がいます。

彼の著書に『風邪の効用』がありますが、これは一読をオススメします。


風邪の効用 (ちくま文庫)
野口 晴哉
筑摩書房
2003-02-01



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本書では、

「風邪は病気というよりも治療行為」

と表現されています。




「体が恢復しようとする動きが風邪の現象」であり「風邪を引くということ自体がもう治ろうとする要求だから」というのが野口先生の解説です。

そして「風邪は治すべきものではなくて経過するもの」という思想を根底に持ちます。


「風邪を完全に経過しないで治してしまうことばかり考えるから、普段の体の弱い処をそのまま残して、また風邪を引く」


ということになるという考え。

 



例えば、下痢や嘔吐という症状。

これは侵入した異物を排除する自然な営みに他ならないのに、下痢止めだとか吐き気止めなどと薬でその症状を止めようとします。

「昨年流行った消化器の風邪は、終わりは下痢。神経が過敏な人は一度下痢をして、これで済んだと一息入れればいいのに、風邪の上に下痢までしたと慌てている。」

という話はもはやコントか漫才です。

 



私は年に1度も風邪を引かない生活をこの数十年送っています。

ただ、何か「大事」が終わった途端、高熱が出る風邪を引いた記憶があります。

その時の「風邪」が私の体を一旦整えて、その先にさらに「病気にならない身体」にしてくれているのだとも思えてきます。

 
風邪を引いた時は「薬は飲まない」ということを原則としており、ひたすら温め、食事を極力減らし、自然治癒力の発動に任せます。



 
野口先生は、




「最近の病気に対する考え方は、病気の悪いことだけを考えて、
 
病気でさえあればなんでも治してしまわなくてはならない、
 
しかも早く治してしまわなければならないと考えられ、
 
人間が生きていく上での体全体の動き、
 
或は体の自然ということを無視している」



と警告していますが、このことはズバリ本質に迫っているものでしょう。



 

これは 60年前(1962年刊)の慧眼です。

「この本であなたの病気に対する考え方は一変する」

と表紙帯で謳われています。




現在2023年を終えようとしています。

60年超経ちました。

世の中の考え方が一向に変わったように見えないどころか、ガンを始め病人は増加し続け、その医療費も増加の一途です。

どうしてなのでしょうか?

 


いまだ飽きずに巷では「新型コロナが。。。」と騒がれていますが、いつまで正体が明らかになりつつあるウイルスを恐れるのでしょうか?

「単なる風邪でしょ」と声を大にしたいところですが、

今まで私たちの周りに常にあった風邪のウィルスも含めて、ウイルスは時として体を整えてくれ、新種のウィルスはある意味「人類の進化の伴侶」だったとも言えるでしょう。

その度に私たちの体は「進化」できてきたはず。




「病気を恐れる気持ち」自体が自らを苦しめて「治らない身体」を作ろうとしていることに、気づいていない人が多いような気がします。





よく考えてください。

「以前の風邪」の原因も「昔の型のコロナウイルス」なのです。


野口先生の説に従えば、以前の旧コロナウイルスは「身体を整える」という効用があったということになりますが、

今回の「新型」はどのような「効用」をもたらすのでしょうか?




狂った社会を整える?

歪んだ思考を整える?

行き過ぎた世界を整える?




もう3年も超えますよ。

いい加減、気づきませんか?