中国の古典に、

偽・私・放・奢

の四つの煩いから離れた生き方をせよ、とあります。




・偽りがあってはいけない

・私心があってはいけない

・わがままであってはいけない

・奢りの心があってはいけない 





才や弁ではなく、明確な哲学を軸にした『深沈厚重(しんちんこうじゅう)』な人間でありたいと思っています。


深沈厚重は、字の如く

「どっしりと落ち着いて深みのある様子(寛容かつ威容、確固たる信念を持ち合わせている様)」

のことを指します。


そんな難しくはなく、ごく当たり前の道徳のようなものでしょうか。




嘘をつくな、

正直であれ、

人をだましてはいけない、

欲張るな、


これは日本人の国民性が本来持っている(はずの)高潔な精神でもあると思っています。






精神論や道徳論の話に留まらず、

これは「仕事」に対しても同様で、心構えの基本だと今更ながらに感じています。


「嘘、ごまかしのない指導」をしなさい


と長年教えをいただいている魚住廣信先生からうるさく言われ続けていることです。






一事が万事。

私生活では嘘はなく、でも仕事はテキトー、なんて使い分けている器用な人はそういないでしょう。

仕事は人生の多くの割合を占めるものであり、生きる目的、生きている意義、と言ってもいい。

人生とは、仕事を通じて人間性を高めるプロセスそのものといえます。

ここでいう「仕事」とは、対価をもらうもの、そうでないもの(家事など)全てです。


人間性を高めるプロセス、人格を磨き上げていくプロセス、は様々、無限にあると思いますが、

当代随一の経営者と言われる京セラを立ち上げた「稲盛和夫氏」が説いている「六つの精進」があります。

それをシェアします。





1、誰にも負けない努力をする

人よりも多く研鑽する。
またそれをひたむきに継続すること。
不平不満を言う暇があったら伊センチでも前に進み、向上するように努める。




2、謙虚にして驕らず

「謙は益を受く」と中国古典の一節にあるように、
謙虚な心が幸福を呼び、魂を浄化させる。




3、反省ある日々を送る

日々の自分の行動や心のありようを点検して、
自分のことだけを考えていないか、卑怯な振る舞いはないかなど、
自省自戒して、改めるよう努める。




4、生きていることに感謝する

生きているだけで幸せだと考えて、
どんな小さいことにも感謝する心を育てる。




5、善行、利他行を積む

「積善の家に余慶あり」。
善を行い、他を利する、思いやりのある行動を心がける。
そのような善行を詰んだ人には良い報いがある。




6、感性的な悩みをしない

いつまでも不平を言ったり、しても仕方のない心配にとらわれたり、
くよくよと悩んでいてはいけない。
そのためにも後悔をしないようなくらい全身全霊を傾けて取り組むことが大切である。







文字にして仕舞えば、ごくごく平凡で、当たり前ではないか、とも思えます。

ただ、私は「当たり前のことを当たり前に続ける」ことがどれだけ難しいことであり、

でもこのことが後になって「ものすごい威力」を発揮し、「豊かな実」をつけることだと少ないながらも知ることができています。





たまにこういう説法を聞いて「しっかりしなきゃな」なんて思うより、

たまに自己啓発本を読んで「自分も何か行動しなきゃ」なんて思うより、

この『平凡で当たり前のこと』を、日常の生活の中に落とし込み、

小さくてもコツコツ実践し続けることが本当に大事なこと。




そして、口だけの人間に絶対にならない。

自ら動き、自ら始める人間でいること。

間違いなく激動の年、大激震の走る世界、2024年の自分に向けて。

この先もより精進します。




IMG_3927