生物学的には「人」は「ヒト」と言います。

ヒトは万物の霊長とも言いますが、他の哺乳類の中でも、特別な存在として認識している部分が多いことは確かです。

しかし、生物界全体から見れば、ネズミとヒトは依然として恐ろしく似ているそうです。

生物の分類学の基礎は「形態学」といって、かたちがどれだけ似ているかどうかを根拠にしています。





ヒトは哺乳類です。

ネズミやチンパンジーも哺乳類です。

でも、ヒトは毛がほとんど生えていないし、2足歩行をするし、言葉をしゃべります。

際立って不思議なおかしな動物です。

そして、基本は「一夫一婦制」を採用しています。

これは社会習慣や、社会秩序を守る意味もありますが、哺乳類では極めて特殊です

しかしながら、そんな特殊な戦略をとりながらも、地球の長い環境の変化に耐え、他の生物との生存競争にも勝ち残ってきました。

いわゆる「勝ち組」です。

この先はわかりませんが、今のところは勝ち組中の勝ち組です。



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ネズミとヒトは同じ哺乳類という仲間に分類されています。

骨格など様々な形態が似ていることと、

30億年にも及ぶ長い生命の歴史で遭遇した数多くの困難を、同じような「戦略」で克服してきたこと、を意味しています。






ヒトには400〜600万年とも言われる歴史
があります。

現在の私たちのDNAには400万年以前に人類が誕生した時代の遺伝子情報が、あまり変化しないかたちで脈々と受け継がれています。

約1万年前といわれる文明の発祥以後、人類の生活は加速度的に大きな・劇的な変化をしています。

文明の恩恵を受け、恐ろしいほどの速度で便利さを生む機械に囲まれているとつい忘れがちですが、

その発達・進化した文明の恩恵のうち、


「自分自身の努力と能力」でもたらされているものは本当にごくごくわずか。


実際は、ほとんどが他人、しかも多くの過去の人たちの力によってもたらされています。

ここは忘れてはいけないところです。






つまり、今の我々にとって、文明の恩恵は『知識』としてもたらされているものが中心です。

私たちの遺伝子が急速に変化した結果、もたらされているのではないということ、です。


もちろん文明を生み出したのは人類ですが、

その「文明」という大きく厚く被われたモノをごそっと取ったところに見えるものが「ヒト」です。





何が言いたいかというと、

私たちは、人類でもありますが、「ヒト」でもあります。

ヒトとしての私たちは、400万年〜600万年前からさほど変わっていません。

でも圧倒的な文明の進化の恩恵を受けて現在生きています。

この大きな大きなギャップのせいで、色々「辻褄が合わなく」なっています。

他の動物たちも少なからず人類が作ってきた文明の煽りを受けていて、迷惑だと思います。

本当に申し訳ないと思います。





色々な病気、不健康な生活習慣、歪んだ思考、、、辻褄の合わないことだらけです。

文明と共に、同じ歩みのスピードで遺伝子レベルも変化していけば良いのでしょうが、そうはいきません。

他の動物たちを見習って、他の動物たちと歩調を合わせながら、人類は進んでいかなくてはならないと思うのです。


二人三脚で、やってことがあると思いますが、どちらか1人が抜きん出てしまったら、、、




便利がいいと思ってはいけない。

ヒトは「自然の一部」だと忘れてはいけない。