発生学という学問があります。






精子と卵子が出会って受精してからそれが人間になるまでの過程は、生物が誕生してからの発生の過程と相似系になっています。





受精した細胞は、胎生期に分裂してミミズのようになって、

そこから魚のように変化し、

カエルやワニ、

そしてサルのようになって、

最後に人間の姿にまとまります。

地球に存在するさまざまな生物と似た形を経て、今の人間のからだの構造に至っているのがわかります。

逆に、その発生過程を遡れば人間のからだの構造というものが見えてきます。




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原始的な形態の原腔動物は「口」だけでできています。


厳密には口であり、排泄器官でもあります。

最初に口ができて、

それがエサを食べようとして、

からだを動かしたこと=噛む、

という動作から身体のつくりの方向性が決まっていったと考えられます。






そしてこの運動を引き起こすための筋肉が「屈筋」です。

原腔動物からミミズのような環形動物に「腔」が筒状に伸びていき、

ある時点で「顎」を獲得し、それが魚類になります。

そこから手足が生えて四肢ができ、両棲類に。

顎と肩がしっかりしてきたものは爬虫類に。

四足歩行と大きな骨盤ができて、哺乳類に。

直立して、人類に変化してきました。




腔とは、
身体の中にある空洞のことです。


口腔(上部):顎の部分。

口腔(下部):いわゆる首の部分

胸腔:ボトムは横隔膜。周囲は肋骨。肺があり、空気が詰まっている。

腹腔:ボトムは骨盤、上は横隔膜。内臓が詰まっている。


もちろん「空っぽ」なわけではなく、色々と中身は詰まってます。




歯医者は口腔機能は歯にあると思っていますが、硬組織では咀嚼嚥下はできません。

咀嚼嚥下は消化機能の一部であり、消化機能は筋機能です。




口腔機能とは、

・咀嚼嚥下の消化機能

・呼吸機能

・言葉を喋る発音言語機能(脳機能)

・不要なものを吐き出す

・扁桃を含む免疫機能

これだけあります。

これらは全身に繋がる筋機能であって、筋肉がこれらの機能の動力になっています。

決して「歯」だけの話ではなく、「歯」だけでは何もできません。




筋肉の発生は顎からです。

魚を見れば明らかですが、魚は顎から筋肉になっていて、それが胴体に続きます。

 

魚は尾びれを振っているのではなく、頭を振っているのです。

それで尾びれが鞭のように振れるだけなのです。

 

つまり、筋肉は頭から末梢に動いていきます。



 

先述のように、人間の体も魚から変化し、それらはフラクタル(自己相似)です。

 

鞭のように頭から動かし、これによって体は動きます。

人間は蠕動運動で動いていると言ってもいい。

 

小さな魚が集まって、大きな魚の動きをしているとも考えられます。

 

中心が僅かの動きで、末梢が大きく動きます。

生きた魚の頭を持ってみるとわかりますが、頭が固定され顎から下が動きます。

人間も同じで、
顎から筋肉は動きます。

 

 

末梢から動かそうとすると実は動きません。

そして、中心は背骨だ!と思っている人が大半ですが、

「顎(頭)」と考えると、ヒントがたくさん見つかります。

 

中心軸、という言葉もよく聞かれますが、軸はなく、あるのは「腔(筒)」です。

 

 


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中心(中枢)から末梢へ力を伝えていく運動は蠕動運動です。

 

食べ物を飲み込んで、内臓に送り込む。

これと同じです。