私の父はひどいイビキをかく人でした。

現在は「直させた」ので、かなりマシになりました。

子どもの頃は知識がなかったので「うるさーい」と言っているくらいでしたが、

現在では人の体のつくりやシステムを数年かけて学んできて、イビキは立派な「病気」だという認識でいます。 

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簡単に言えば、赤ちゃんが「グゴ〜ッ」っとイビキをかいて寝ていたらどう思いますか?

大人ならいいんでしょうか?

飼っているペットが同じく「グゴ〜ッ」っとイビキをかいていたらどうでしょうか?

「どこか悪いのかしら?」と心配になりませんか?

大人の人間のイビキだけが単なる睡眠時の「癖」のようにしか思っていないことが、不自然だと思えてくるのではないでしょうか


イビキがうるさい!と周囲から言われる人は、今日から真剣にイビキ改善に取り組んで欲しいと思います。




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そもそも『呼吸』とは?から見直してみましょう。



①肋骨の動きとともに、横隔膜を下げて肺を陰圧※にすることで外からの空気を吸い込む
※陰圧:内部の圧力が外部より低い状態

②横隔膜を戻して(上方に)肺から空気を外に送り出す


の動作で構成されます。




実際は横隔膜を下げて肺に空気を送り込むのはなかなか重労働です。

人は1日2万回以上それを休みなく毎日続けています。

だんだん高齢になってきて筋力も体力も衰えてくると、その「呼吸」ですらままならなくなってくる人も多くいます。

通常の呼吸はそういった意味でかなりの運動負荷になっているのだと感じます。


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イビキをかく状態では気道が狭小化しています。

肺に空気を入れるには、さらにエネルギー負荷がかかります。

太めのストローで一気に楽に風船を膨らますのと、細いストローで風船を膨らますのと、

どちらがエネルギーを使うか?




同じエネルギーでは、細いストローの方では十分に風船に空気を送ることができず、風船は大して膨らみません。

つまり、肺に空気が十分に送ることができず、低酸素呼吸状態になります。

その結果、体はもっと酸素をよこせ、と要求します。

自律神経を刺激し、心拍を速くし、血圧を上げて、酸素供給量を維持しようと頑張ります。

すると、、、

本来、睡眠中、体を休めてなくてはいけないはずの自律神経(交感神経)を、逆に酷使してしまうことになります。

疲労回復?どころか、疲労増大させているようなものです。

眠っても疲れが取れない、寝た気がしない、昼間に強い眠気がある、、、

そんなあなたは特にひどいイビキ人ではないですか??



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「睡眠時無呼吸症候群(通称SAS)」という言葉は聞いたことがある人も多いと思います。

イビキがひどい人に頻発するのが、睡眠時の無呼吸です。

危険な睡眠障害です。

SASの症状で代表的なのは「日中の眠気」と「就寝中のイビキ」です。

SASの診断は医療機関で行いますが、参考として評価チェック表を見てください。



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全部の項目の点数の合計が「11点」を超える場合、SASの疑いあり、です。 





あお向けの時に、喉(首の前)の筋肉や舌が重力に従って垂れ下がり、気道を塞ぎます。

気道の内径は直径1.5センチほどです。

太って、首に脂肪がついたり、肩甲骨の周囲も固まってしまうと、

肩甲骨と繋がっている「舌」の動きも制限され、気道を塞ぎやすくなります。


「舌」は丸ごと筋肉なので、普段からきちんと使わなければ柔軟性も落ち、きちんと働かせづらくなります。

日本人は骨格上、顎の骨が小さく太っていなくてもSASになりやすい、と言われています。

肥満傾向にある人は、さらにそのリスクの上乗せをしているので、体重を減らすことを考えた方がいいですね。





繰り返しますが、イビキをかくと、狭くなった気道で無理に呼吸をすることになるため疲れやすくなります。


イビキをかく人は、睡眠中に「交感神経」を頑張らせてしまっています。

自律神経を乱していることになります。

自律神経の乱れは、「免疫力」を下げます。

他の病気を作っているようなものなのです。



冒頭に書いたイビキのひどい「実父」ですが、結構面倒なガンになりました(まだ生きていますが)。

他にもガンの要因はありましたが、発端は「肥満」であり、そこからの「イビキ」だと理解できます。



病気はなるべくしてなっています。

必ずさかのぼれば、その原因が確実に見つかります。