抗老化医学(アンチエイジングメディスン)の分野でも、歩くこと・ウォーキングの効果は高く評価されています。

最先端の情報では、

老化を早める大きな原因の一つは、『サイトカイン6』という、いわゆる「破壊・衰退ホルモン」です。

その破壊と衰退を促すホルモンの分泌を食い止めれば、自然の流れに即した形で若返ることができます。





 ここで、大切な基本を。

サイトカイン(主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質のこと)は大きく分けて2種類あります。


●サイトカイン6(C6):細胞の破壊と衰退を促す

●サイトカイン10(C10) :細胞の修復と若返りを促進



5938a1c07871e



体はこの2つの成長ホルモンの影響を受けつつ、新陳代謝を行っています。

C6とC10それぞれの分泌量がどういうバランスにあるかによって、

「老ける」か「若返る」かが決まります。

そして、老けもせず、若返りもしない、という「現状維持」はあり得ないということがわかっています。




「老ける」C6にも、良い働きがあります。

日々の活動によって破壊された細胞を除去し、新しい細胞が産まれるためのスペースを作っているのです。

その過程で、細胞の老化を進めてしまうのですが、C6がそういう働きをするからこそ、若返りのC10の分泌が始まる、という仕組みになっています。

要するに、『新しい家を立てるには、古い家は取り壊さなければならない』のです。

『破壊と創造』は人体にも当てはまります。





ウォーキングやエアロビクスダンスといった有酸素運動をして、

脈拍数が最大心拍数の65%に達すると、C6の分泌量が急激に増え、

それが合図となって、C10が自動的に分泌される仕組みです。


C10は筋肉の中で作られ、血流に乗って全身を巡り、新しく細胞を作ります。

それに伴い筋肉が成長し、心臓や血管も丈夫になります。

またC10の分泌が順調だと、女性ホルモンの分泌が盛んになります。

女性にとっては大事なことです。

C6、10共に盛んに分泌されているなら、問題はありません。

それぞれの年齢に相応しい「若々しさ」が保たれます。

問題なのは歳をとる事ではなく、歳とともに運動しなくなってしまい、C10が分泌しにくくなる事です。

若くても、体をたいして動かさず、座りがちな生活を送っていると、C10は十分でなくなります。

ひたすらC6の影響を被って、年齢の割には「老けて」見える、老け込んでいる、ということになるのです。

『歳のわりに若々しい』人は、適度な運動の効果も大きくあるのです。




家事や散歩程度に体を動かしても、C10の分泌レベルは低いままです。

C10を十分に引き出すには、意識的に体を動かす必要があります。

心臓がちょっとドキドキするくらいの運動をしてはじめて、C10の分泌が始まるからです。




例:50歳の人

220ー年齢=220−50=170(最大心拍数)

最大心拍数✖️0.65=170✖️0.65=約110(C -10を十分に引き出す心拍数)

1分間に110拍の運動強度=積極的なウォーキングの強度

となります。

このくらいの運動強度だと10〜15分くらいでC 10の分泌が始まります。

1時間程度ウォーキングをすると、運動後4時間程度、C10の分泌が継続し、

運動中と運動後合わせて5時間程度の分泌隣、1日あたりにして十分な量となります。

言い換えれば、本当に積極的に体を動かすことをしないと、若々しくはいられないということにもなります。

C10分泌による細胞増加→成長→若返り、という循環を繰り返すこと。

単純にして、明快。



何かサプリメントを飲んで若返り、何かを食べて若返り、なんてことでは、本当の意味での「アンチエイジング」にはならないことがわかります。



年齢をとればとるほど、動け動け!と言うことです。