脳と体は密接につながっています。

そして脳は体を支配しています。

体は脳に支配されています。 





アメリカのある実験で、学生たちに登山の訓練をさせていました。

山の頂上付近に「熊の剥製」がいかにも本物らしく設置されていました。

学生たちには事前にはそんなことは知らされておらず、それを見た学生たちがどんな反応を示すかを調べました。

案の定、学生たちは飛び上がるほど驚き、悲鳴をあげる者や、逃げ出す者、真っ青になったり真っ赤になったりしている者、気分が悪くなってうずくまってしまう者もいました。

その後体の状態をチェックしたところ、呼吸は適度に乱れ、体温、脈拍、血圧全てが激変していました。

例え「剥製」であっても、本物だと錯覚すれば、体は著しく反応を示します。 

身近な例で言えば「梅干し」をイメージしただけで唾液が溢れてくる、というやつですね。

こうした体の変化は「自律神経系」のなせるわざ、です。

自律神経系は、脳が思い描いた想像イメージに敏感に反応し、今自分がどういう状態であるか を、体を使って表現します。

現実であっても、想像であっても、体は分け隔てなく反応してしまうのです。





さらに、自立神経系は「過去、現在、未来」という時制の区別もせず、みな一様に今この瞬間のこととして捉えて反応します。

例えば、過去にとっても怖い経験をしたことを思い出せば「ドキドキ」します。

楽しかったことを思い出せば、笑顔になります。

そうした体の反応も自律神経系の働きによるものなのです。





もう一つ、大事なことを。

自立神経系は、言葉の「主語」を解さず、何事も自分自身のことと受け取ってしまいます。

例えば、「〇〇さんは頭がいいね」と言えば、言った自分自身がまるで誰かに褒められたようにウキウキした気分になります。

気分だけでなく、体調や行動にもいい影響が及びます。

逆に、「〇〇は何をやらせてもダメだな、バカなやつだ」と言うと、その言葉を発した本人がけなされた心的状態になります。

「主語」は関係なく、言った本人の脳(自律神経系)は自分がそう言われた、と理解し、反応するのです。

なので、いつも人のことを非難したり、けなしたり、見下したり、愚痴を言うと、「全て自分に言っている」ことになってしまいます。

常にネガティブな言葉、常に愚痴を言う人は、自分の「脳」を自らいじめてしまっていることになります。

言葉はダイレクトに言った本人の自律神経系に働きかけてしまうものなのです。
 

言った言葉が、

・事実かどうか
・時制に関係なく
・自分かそれ以外の他人であろうが 

語られた内容はそっくりそのまま、言葉を発した人にそのまま「フィードバック」されます




言葉は使いようです。

普段、何気なく口にしている言葉、口ぐせ、が知らぬ間に人生に反映されています。

これは紛れもない事実です。

日に何度となく口にしている言葉が「意識」を作ります。

意識は「言語」によって形成されるというのは、言語心理学によっても明らかです。

そして言葉は、自律神経系を介して、体に作用し、体調を左右します。


「もうだめだ」と言えば、そうなります。

「なんとかなる」と言えば、そうなります。

「できない」と言えば、そうなるし、

「できる」と言えば、そうなります。

「私は風邪なんか引かない」と言えば、体調はよく、

「疲れたな、風邪っぽいな」と言えば、体調は悪くなります。




言葉は、意識、体調、行動、を 決定づけます。





経営の神様「松下幸之助」氏。

「私はなんて運のいい男だ」と毎日20回は唱えていたそうです。


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