昨日、抗生物質とは何か?

抗生物質の光と影、のような内容で書きました。

本日はその続きです。



風邪で抗生物質を処方するのは日本だけです。




よく予防のためと言いますが、なってもいない病気のために「予防」と称して薬の処方の仕方ができるのは、日本が医療費が安いからです。

日本は、処方された薬を飲まずに捨てられる「残薬」の多い国でもあります。

医療費の膨大化が社会問題になっているのに、年間2〜3兆円ものお金がゴミ箱に捨てられています。


IMG_2071



過去記事にも書きましたが、日本人ほど、薬が好きで、警戒心が薄い国民はいないと言われます。

皆さん覚えがあると思いますが、TVのCMでは風邪薬、胃腸薬、頭痛薬、湿布薬、目薬、、、キャッチフレーズが何度も流れ、

調子が悪くなれば薬を飲む、という行動が常識化、一般化しています。

誰も何とも思いません。

家に常備薬が何種類もあるし、むしろ常備薬として家に置きましょう、と売り歩いている製薬会社もあったくらいですから。

欧米では、1度の受診で処方されるのは1剤のみの「1剤処方」が基本です。

知らない人は聞いてびっくりするのではないでしょうか? 

たった1つの薬だけ??なんて思う人もいると思います 。

日本では、「たった1種類?」なんて不満な患者が多いと思います。

5剤以上の処方が当たり前だったりしますからね。

窓口での自己負担額が1割になる75歳以上の場合、10剤処方も珍しくありません。

病院での受診での処方薬の数が「戦利品」と考える高齢者も少なくないのです。



IMG_2067



『ドクターズルール425 医師の心得集 』という本があります。

白衣のポケットに入るくらいの大きさです。

英語で書かれたもので、日本語訳にもなっています。

医師の心得集、と副題がありますが 、患者・市民の心得集、と読み替えてもいいくらいの内容です。

薬に関してピックアップすると、

・診療上使う薬はできるだけ少数に絞ること、そしてそれらの薬については十分に精通しておくこと

・4錠以上飲まされている患者は、医学の知識が及ばない危険な状況にある。

・薬の数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは加速度的に増す。

と書かれています。


薬以外にも、

・どうしてよいかわからない時は、何もしないこと。

・患者に話すのではなく、患者と話すこと。

・怒りの背後には恐怖がある。怒りに対して防御的に反応しないこと。患者が何を恐れているか知りなさい。


う〜ん、今の多くの医者にもう一度読み直して欲しい、と思うのは私だけでしょうか?

そして、これらは、医師に全てを丸投げする我々患者側の考え方や態度も直さなくてはならないことが大いにあります。




医療・薬の問題は、根深いです。

医療機関もそうですが、患者側、国民一人一人がもっと知識、情報を持ち、

自ら病気にならないように意識高く日頃から心掛けることが必要だと思います。

認識を改める必要があります。

日頃の心がけで予防することが常識になるような、意識の高い国民になって欲しいと思います。