ヤマノミ族は、南米の北部、アマゾン流域のネグロ川、オリノコ川周辺に住んでいます。


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食べ物は獣の肉、魚、昆虫、キャッサバ芋、です。

この民族が注目された理由は、彼らは塩というものを知らなかったことです。





ヤマノミ族は20世紀の半ば頃、西洋人によって発見された少数民族ですが、血圧を調べたところ上が100でしたが下は40でした。

調査に当たった学者たちは、塩は血圧を上げるという自分たちの考えを証拠立てるものとして、鬼の首を取ったように論文を発表しました。

ところが、この民族は、人生が40年、つまり寿命が40歳でした。

日本でも織田信長が死ぬ前に「人生50年」 と言って舞ったシーンをご存知かと思いますが、それよりも短い寿命です。

アフリカのマサイ族も塩を摂らないから元気なんだという医学者もいますが、彼らも寿命は短いのです。

個人差はあり、長寿者もしますが、男性の平均は48〜50歳ほどです。




塩がない場合には「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系」が働いて、塩を強制的に再吸収します。

それによって血圧を上げるという強制措置が取られます。

塩がないために、 この系統を作動させる反応が強制的に引き起こされて、腎臓が痛めつけられることで早死にします。

人間は「腎臓から死んでいく」のです。

海の中で生まれて、海の中で進化した動物が、陸の上がることで一番困るのは、身体の細胞が塩を求めていて、その塩を調達するために『腎臓だけ』が酷使されていることです。




ヤマノミ族は、40歳という短い人生にも関わらず優秀だと思われる点があります。 

生まれた胎児を生霊だと判断している点です。

子供が生まれると、母親の意見が一番尊重されますが、その部落20〜30人の総意としてこの子を育てるかどうかを協議します。

『ここ1〜2年、いい食にありつけない、それは可哀そうだから育てることをやめよう』と判断された場合は、胎児は臍の緒をつけたまま胎盤と一緒にバナナの葉に包んでシロアリの巣の上に置かれます。

2週間ほど経って胎児の形が無くなった頃に、胎児を食べたシロアリの巣を燃やして天に還してあげる、という格調高き昇天の儀を執り行っています。




また、彼らは、もし捕まえたイノシシやバクなどの動物が妊娠している場合には、腹の中の胎児は絶対に食べないそうです。

ちゃんと成長できるように、その動物の餌がたくさんありそうなところにそっと持って行きます。

なぜかというと、「胎児は精霊である」という考えが彼らの人生哲学であるからです。

自然に生きる、自然と調和する、ということを体現しています。