たまに鉢に入った花や観葉植物を買ってきます。

そのままでは鉢が小さく、土の量も不十分なために、一回り大きめの鉢に植え替えをします。

そのまま数ヶ月すると、本来植え替えたはずの植木以外にも、見たことのない葉が生えてきて驚くことがあります。

一番びっくりしたのは、花まで咲いていたことがあった時。

「あなただあれ?」笑




冬場に古くなった家を取り壊し、すっかり更地になった所が数ヶ月後に見たら大雑草群に覆われているのを見た時も、生命力がすごいなぁ、逞しいなぁ、と感動すら覚えます。

まさに土さえあれば、タネを蒔かなくても芽吹き花が咲きます。

土さえあれば種子が風によって運ばれてきたり、鳥の糞に混じって落とされ、雨によって発芽し、日光と土中の養分によって育っていきます。

これが自然のありようです。




人も、養分の多い土を心に持つことだと思います。

豊かな心、といいますが、あれこれ苦心したり思いを巡らさずとも、芽吹き花が咲くのだと。

多くの人は豊かさを自分の外に築こうとします。

外に築くことは容易ではありません。

そこには葛藤を生じさせます。

葛藤とは、心の中に相反する動機・欲求・感情などが存在し、そのいずれをとるか迷うこと。


葛藤は心を曇らせます。





例えば、大きな事業を興そうとするとします。

1億円が必要だとします。

その資金を作るのに、寝ずに働いたり、わずかな資金を運用して増やそうとしたり。

それらは大概うまくいきません。

自分の外に富を築く愚かさはこういったことです。





ところが、自己の欲得という私心を離れ、世のため・人のため・他人のため、に志を掲げて一心に努力している人を見ると、周りの人は心を動かされます。

「この人のために力になってあげよう」と思うのです。

これが『信用』です。





信用さえ培えれば、お金を作ることはうんと簡単になります。

心の中に豊かな土壌を育てる人こそ、

「土さえあれば、タネを蒔かずとも花が咲く」

の本質をしている人になります。





人は一生をかけて「心の土を耕し、肥やしていく」ことによって価値を変わらしめることができるということです。