地球上に二本足で歩くことができる動物は、人間だけ。

人間は二本足で歩くことを前提として、進化発展してきているといわれています。

それはいまだ継続中(むしろ歩くこそが減り今は退化している...)。


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正しく歩くことができなければ人間ではない、とも言えます。


遺伝子は人としてのものを持って生まれてきますが、歩けるようになるには、生まれてから環境の中で学び、獲得していきます。


残念ながら、他の野生動物とは違い、人間の赤ちゃんは生まれながらにして歩くことができません。


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人間の背骨はS字に湾曲しているのはご存知でしょう。

これらの湾曲は重力にうまく抗して鉛直に起立するために必要で一部分に負荷が集中せず、効率よく分散させるための構造になっています。



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頸椎(首)と腰(腰椎)は赤ちゃん(胎児の時も)は反っていません。

つまり首も胸も腰も丸いまま。

生後10〜12ヶ月くらいで立って歩くようになります。

そこから、頸椎と腰椎のカーブ(前弯)が作られていきます。

つまり、赤ちゃんは歩くことで、人間になっていきます。

歩かない赤ちゃんはまだ「人間でない」ということです。




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そして、二足歩行は脳の発達と大きく関係があります。

人間が二足で歩行するということは、大脳の発達と密接に関わりがあり、人間の下肢の筋肉の制御、体幹の制御がびっくりするほどの巧緻性を持つようになります。





考えてみてください。

2本脚の椅子はないです。

テーブルも。

立たないからです。



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                                                  お店に立っているマネキンだって、よく見たら2本脚ではない。

大きな台座にもう1本柱があります。

そうでなければ立たないからです。







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運動が、脳ニューロンの大量新生を起こすことがわかっています。

アメリカ、イリノイ州の高校生たちは、学校の時間割に「0時限」いう学習準備の「運動時間」を取り入れるだけで、

TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)において、数学は世界6位、理科は世界1位!という驚異的な成果を挙げているそうです。



 
90歳になっても、心拍数の増加による全身の血流量の増大によって、脳ニューロンの新生は起こり続けます




年齢は関係ないことがわかります。

ただ、役割が与えられなければ新生したニューロンは死んでしまいます。


つまり、常に刺激し続けなければならない、ということです。





歩行によって、幼児の運動量は劇的に増えます。

いつもきゃっきゃっと走り回って、やたらに興味を持って触りまくり、時には口に入れてみたり、投げてみたり、とにかく止まらずに動き続けています。

そうやってせっせと脳を育てているわけですが、その様子を見て大人はじっとしなさい、おとなしくしなさい、とついつい押さえ付けてしまいがち。

頭のいい子に、より人間らしい子になるためには、せわしなく動き続けることが大事なのです。





大人、とりわけ中高年あたりは体のどこかが悪くなったり、痛みを持っていたりすると、動く量がガクッと減ります。

立つ、歩くが、しんどい、嫌、、、

実際日中のほとんどを座って過ごすようになります。


脳への刺激が減り、役割を失った脳のニューロンは死んでいきますから、脳が退化していくのです。

高齢者こそ、ボケたと言われないように、せっせと立って歩くこと。


「人でいる」ためには「歩く」をやめてはいけません。