古くから、日本には「ひふみ」というのがあります。

「ひぃ、ふぅ、みぃ」という数え詩というだけでなく、

日本語は一字一音一義といって、一音ごとに意味がある言語です。

ひ=霊
ふ=生
み=身


です。

霊(魂)がまずあって、そこから身(肉体)が生まれることを意味します。


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例えば、神社に行くと、そこで『二礼二拍一礼』をします。

その二拍をするとき、両手を合わせた後、右手を左手の指先から第一関節のあたりまで少し下げるのが作法です。

参拝は「自分の霊(ひ)が神様にご挨拶するから」です。

なので「霊(ひ)」を意味する「左手」を前に出し、

身(み)を意味する「右手」を少し引くのです。


こうして二拍したら、引いていた手を元に戻して一礼します。

肉体と霊(ひ) を元通りにして挨拶をします。





玉串奉納というのがあります。

玉串は「時計回りに回して祭壇に捧げる」と説明されます。

最終的に祭壇に榊(さかき)を捧げる段階で、自分の左手が神様の方に差し出されるようにします。

これも霊(ひ)が先、ということからきています。

昔の朝廷には左大臣、右大臣がいましたが、左大臣の方が格上でした。




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天皇の後継問題が起こって数年経ちますが、いまだに結論は出ていないようです。


男社会というのは古臭い、男女平等が常識だ、とか、天皇というものは特別で簡単に女性天皇にするわけにはいかない、など意見は別れています。 

何も知らなければ、「なんで女性天皇はダメなのよ、今の時代は開かれた皇室にすべき」と思うかもしれません。

皇室、特に天皇についてはもう少し由来を知っておく必要があります。



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『男系天皇』という言葉が聞かれます。

実はこの「ひふみ(霊生身)」からきています。

女性はその「身」から赤ちゃんという「身」を産みます。

赤ちゃんを産むことがでいるのは生物学上女性だけ。

女性の胎内にある「卵」は、何もしなければそのまま「月のもの」として排出されます。

懐妊するためには、女性の胎内に「ひ(霊)」を授ける必要があります。


天照大御神からの「ひ(霊)」を受け継ぐことは、「霊統」といい、天皇の権威の裏付けとなります。


誰の「ひ(霊)」を受け継いでいるのが重要で、これが天皇は『男系』でなくてはならないとされる理由です。
 





男性天皇の霊(ひ)を受け継いでいれば、女性でも天皇になれます。


歴史上に今までも女性の天皇がいましたよね。

けれど、別の「霊統」である男性の「霊(ひ)」を授かった子は、『女系』と呼ばれます。

かつて『女系』天皇は一人も存在しません。

天照大御神以来の霊統を絶やすことになってしまうからです。



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昔は男女が並んで歩く時も、男性が女性の左側に立ち、女性が半歩下がって歩くこと、が常識でした。

男尊女卑だ、とか、差別だ、とか、女性軽視だ、とか聞こえそうですがこれは全然違います。

男性は左腰に刀を差しています。 

前から敵が来た時、男性は刀を抜くわけですが、左側に女性がいたら刀が女性に当たり傷つけてしまいます。

「女性を守るため」に、男性が女性の左・半歩前を歩く、というのが男性の常識でした。

海外の「レディ・ファースト」とはやり方は違いますが、同じ意味ですね。





「霊(ひ)」が上で、「身(み)」が下、という考え方はいつ始まったかわからないくら古い慣習だそうです。

歴史を研究する人たちの間では、少なく見積もっても1300年以上も以前からだそうです。

先の『男系』『女系』の話がありましたが、決して男性が上、女性が下、ということではないのです。

いくら「霊(ひ)」があっても、女性がいなければ子は生まれないので、男尊女卑ではなく、役割が違うということ。

互いの尊厳は平等、というのが日本古来の思想です。

欧米の風習や、振る舞いに憧れを持ったり、ステキだわ、と思う人も多いと思いますが、

日本古来の慣習もなかなか「進んで」いるのです。





神社に行って、そんなことを思い出して欲しいです。